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用賀HARU治療院の鍼灸整体師が、読んで感動した本~太陽の棘~
2020.12.25
ちょっと前ですが(2018)、原田マハさんの❝太陽の棘❞を読みました。
原田マハさんと言えば、なんといってもアート系、美術に関する小説が群を抜いています。
代表作には、楽園のカンヴァス、暗黙のゲルニカなどがあります。
もちろん、それらの作品はすぐに引き込まれ素晴らしく、まずお勧めする本ですが、個人的に思入れが強く、まさに、心に❝棘❞が刺さったような、心に残った作品です。
戦後のGHQの統治下の貧しい沖縄、有志で作った芸術村のドキュメンタリー番組を観た原田マハさんは、番組の内容に感動し、その夜、空港のチケットを取り、その足で、沖縄に取材を行ったと言います。
その行動力や熱さがいつも作品に投影されていますが、一際この❝太陽の棘❞には、込められているように感じました。
戦後間もない沖縄で、芸術村があったという事実は知られていましたが、現存している作品が少なく、実情が分かっていなかったのですが、近年、思わぬところから、作品の存在が確認されました。
それは、海を渡ったアメリカでした。
話でも登場する主人公のモデルになった軍医が、大事にコレクションしていたことが分かり、半世紀を経て、沖縄に一時帰ってきたのです。
私はこの作品を読んだ数か月前ほどに、板橋の美術館に彼らの作品が来ていたと知りました。
遅かった・・・
この作品は、暗幕のゲルニカなどのように、特にサスペンス要素もなく、展開が凄いわけでもありませんが、美術を通して、人種、文化の垣根、戦争の憎しみを越えた、日本人の芸術家とアメリカ人の軍医の熱い友情に、胸が熱くなりました。(表紙の右が日本人芸術家。左がアメリカ人軍医)
また、鍼灸治療を受けてくれているお客さんに、冗談で、ドラマにして、このアメリカ人軍医を演じたいと言っていました。
すると、読み終えた1カ月後の、11月(2018年)とある劇団で、太陽の棘を公演していました。
・・・やはり、やりたくなるわな・・・
アメリカ人軍医さんは、現在もカウンセラーとして現役だそうです(2014年当時94歳)。
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