なぜ、現在の日本で鍼灸治療が浸透していないのか!?2~保険制度に完全な遅れを取ったから~
前回、現在の日本ではり治療が、そこまで浸透できない理由を日本の歴史の観点から述べましたが、今回は戦後の保険制度の観点から述べます。
1961年に国民皆保険制度が実現しました。
国民皆保険制度とは、誰もが何らかの保険に加入し、安心して医療を受けられる制度です。
アメリカ以外のだいたいの先進諸国で採用されており、その中でも日本は、世界最高レベルの保健医療の水準を保っています。
保険制度が始まった頃は、病院でしか保険医療は受けられませんでした。
そこで、国家資格になって、開業権がある、鍼灸師会と柔整師会(柔道整復師)が保険に注目しました。
警察関係の流れを汲む柔道整復師達は、持ち前の団結力、縦社会を発揮して保険診療の獲得に乗り出し、成功します。
職人肌で、一匹狼肌の鍼灸師達は、❝俺は腕一本で勝負する❞といった方が多く、保険診療に対して団結せず、まとまりませんでした。
医師会(整形外科)は柔道整復師、ほねつぎ、整骨院が保険診療したところで、別に商売敵になることはないだろうと思っていて、柔道整復師が保険診療に参入する事をあっさり認めました。
しかし、医師会(整形外科)や鍼灸師会の予想に反して、整骨院が隆盛を極め始めました。
今から十年前位まで続く柔整師会、栄光の時代です。
その後はみなさんがご存知の、現在の整骨院(接骨院)の乱立の時代に至ります。
さて、話は戻って、元々保健診療に興味のあった鍼灸師達が、柔整師界の繁盛ぶりを見て、『我々も保険を扱えるように、まとまりましょう』とようやく声をあげました。
しかし、時すでに遅しです。
もう、医師会が黙っているわけがありません。
整骨院、接骨院がかなりの医療費を使い始め、かなりの患者さんを獲得している・・・それに加えて、鍼灸院までも保険診療を始めたのでは、三つ巴になるのは火を見るよりも明らかです。
医師会は反対します。鍼灸師会も今回は裁判にまで持ち込みますが・・・
鍼灸師会は健闘し、限定的な保健診療を勝ち取ります。
しかし、内容は保険適用疾患は限定(神経痛。リウマチ。頚腕症候群。五十肩。腰痛症。頸椎捻挫後遺症)され、医師の同意の元であり、同意書をもらったら一週間以内に鍼灸院を受診しないと同意書は無効になります。
そして三か月に一度また同意書をもらうことになっています。また保険証の種類によっても保険がおりないなどの縛りがあります。
現実には整形外科の医師は、まず同意書は書きません。
ですから、理解のある内科医などとのパイプを作らなければいけません。
一週間以内に受診や三か月に一度また同意書をもらいに行くなどの患者さんの負担もあります。
ですから、鍼灸師会は、なかなか保険診療を使いたくても使えない現状があるのです。とても分かりずらく、手間がかかりすぎるのです。
そして、国民皆保険で守られている日本、特にお年寄りは1割負担で整形外科を利用できるのですから、自費治療中心の鍼灸治療は医療の中心から外れてしまっているのです。
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